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性的指向と性的嗜好について

連続ツイートしようかと思ったけど、A4用紙5枚でもおさまらなかったので///

こっちにしました。

以下、まじめな話。


1.
性的指向と性的嗜好が、「性」と「趣味」の差だと思っている人はセンスゼロです。厳密には、「変更可能なもの」が性的嗜好であり、性的指向は「変更不可能なもの」です。小児愛が性的嗜好とされたのは、「変更可能なもの」と考えられてきたからで、趣味だからではありません。

2.
セクシュアリティ基本用語辞典には以下のようにあります。
「(性的指向は)通常はその人物が異性愛者であるのか、同性愛者であるのか、それとも両性愛者であるのかを言う場合に用いられるが、バット・カリフィアが「パートナー(対象となる人物)の性だけでその人の性的指向がきめられるのはいかがなものかと思う」と指摘しているように(Hemmings,2002:113での引用)、小児愛のようにある固定した性的欲求を指す場合もあると思われる。」

3.
実は、小児愛が性的指向に当てはまらないという理屈には、既に異が唱えられている。ただ、どれが性的指向で、どれが性的嗜好なのかという問いかけを続ければ問題が解決するかというと、そうではない。

4.
もう一度、性的指向の定義の話をすると、同書によれば、「ある人がどういった人や物に対して性的な欲求を抱くのかという人の対象選択について用いられる言葉」とある。つまり、人だけではないし、物でも動物でも匂いでも構わない。そういうものがその人の性的な対象となりえるなら、性的指向と呼んでも差し支えない。

5.
ちなみに『セクシュアリティ基本用語辞典』について。これはイギリスで出された辞典の日本語版ですから、別に日本の誰かが身勝手に言ってる訳でもないです。この本の妥当性がいまいちというなら、その理由を示して欲しい。

6.
で、熟女好きと同性愛を並列に置いて何が問題なのか。僕は別に問題はないと思います。烈火の如く怒り狂った人たちは、実は性的指向そのものについて全く理解が足りていないと思います。

7.
「同性愛は性的指向で、熟女好きは性的指向ではない」という理論展開は、冒頭の説明から言うと、「熟女好き」は一過性のものであるという事になる。逆に言えば、同性愛は生まれ持った先天的な性質のものだと定義を作ることになる。この定義が何より問題になる。

8.
同性愛が先天的な性質だとすると、「高校までは女性を好きだったけど、今は男性しか好きにならない男」をどう定義するか。その人は女性を好きにならないから「ゲイ」を名乗っているにも関わらず、同性愛が先天的な性質だとすると、その人はせいぜい「バイ」という事になる。

9.
同性愛と小児愛を区別して、自分たちは本質的な存在だという主張は、こうした「ゲイを名乗りたい人たち」を「偽物のゲイ」として区分することになってしまう。この区分は、「ゲイとは何か」という尺度を生み出し、ゲイを「診断」することになる。結果、ゲイになるためには、そうした尺度を全て満たしたものとなる。

10.
同様の現象は性同一性障害だと更に色濃くなる。医師によって「診断」された者が本物の性同一性障害だと言えるが、その診断は彼らの生活態度と「愁訴」によってのみ行われる。つまり、異性装を続けて、自分の性別は間違っているのだと訴え続ければ、性同一性障害になれてしまう。Aさんをそれで認めてしまえば、Bさんだって同様に訴えれば認めざるを得ない。

11.
「診断さえ貰えれば様々な点で有利になる」という状況そのものが問題であるにも関わらず、そうではなくて、「障害か否か」「病気か否か」そういう視点でのみ性が語られるのは、小生にとっては腸煮えくり返るほどの屈辱であります。

12.
基本用語辞典の性的嗜好には、こうも記されている。
『性的指向の広がりを非難するのは通常「多数派には全体がどう生きるべきか決める権利があるとする倫理的ポピュリズム」的考え方をする人びとである」
しかし、日本の性同一性障害の対応や今回の性的指向の問答は、正に逆の道です。

13.
つまり、「多数派が持つ全体がどう生きるべきか決める権利に隷属している」という事だ。性同一性障害という「障害だから」という解釈。同性愛は「趣味じゃなくて生まれつき」という解釈。そういう解釈に依る解放を目指している。こうした社会的迎合路線を「政治的な理由」で歓迎している点がとても手ぬるいと感じる。

14.
1988年に制定された地方自治法第28条というイギリスの法律では、地方自治体が「故意に同性愛を推奨し……家族関係と称して同性愛を教育すること」を禁じている。これは性的嗜好として同性愛を定義したからこそ、それに抵抗するために性的指向として同性愛が語られたという経緯がある。これが本来の使い方。

15.
だけど、研究者として一言言うなら、日本で行うべきなのは、障害だから、病気だから認めるという事ではなく、「それは普通の事なのだという理解」を広げることじゃないかな。だから、例え同性愛が先天的でも後天的でも、その原因は全く関係ない。そういう人たちを社会が許容できるかどうか。そこだけ。

16.
だから、日本の活動は筋が通らない。都合のいい部分を都合よく合わせているから矛盾が生まれる。パウロ・フレイレの本を読んで思ったことだけど、自分たちが抑圧から解放されるために、こんどは自分たちが抑圧者になるなんて事があってはならない。

17.
「僕は」、だけど、僕は差別問題から足を洗いたい。そうじゃなくて、当事者が自立をすること、自分の事を肯定的に考え、自分の人生を直視できるようになることが、僕の研究では一番大事な事なの。差別問題は、個人の自立の障壁の一つでしかないし、全ての同性愛者に共通した課題とは言えない。

18.
むしろ、差別問題が共通した課題だと思われている事こそが、個人的には問題。「同性愛だから自分は損をしている」というディスエンパワーされた状態では、誰かの助けを待ってしまう。社会福祉的に言えば、「自己の問題解決力」が欠落している状態こそが問題であって、そういう悪いイメージをどんどん強化してしまう差別問題というシナリオからの脱却が必要なんじゃないかな。ナラティヴ・ターンというか。オルタナティヴ・ストーリーというか。

19.
だから、カミングアウトが全てだと思ってしまったり、差別を受けたら人生終わりだと思ってしまう必要のない社会がいいな。当然、差別を受けた場合にも備えたい。誰かしら味方がいて、その差別と向き合えてたらいい。中には差別を受けると思っていた相手から素敵な言葉をかけてもらえるかもしれない。

20.
僕がとあるフォロワーさんにインタビューをした時、親御さんからの理解について、理解されるかもしれないという話をした時、「あるかもじゃん。あるかもしれないけど、それは何を想定してもかもでしかない。かもでいこうとは思わない」って言われたのね。

21.
この話は今までも何度もしてるんだけど、僕の研究はその「かも」という部分に全てが詰まっていて、そうした「かも」に対して、「1人で立ち向かおうとしなくったっていいんだよ」って、肩の荷を下ろしてあげる事なんすわ。

22.
それと、僕は同性愛を全ての人が許容するべきだとは思わない。もしかしたら親が自分を拒絶するかもしれない。そしたら、親にだって悩む時間や戸惑う時間は必要だから、長い時間をかけて、一緒に考えていけるように、隣でアドバイスしたり、助言の出来そうな人を紹介したり、時には愚痴を聞いたりしたいわけ。

23.
何も自分の性的アイデンティティを全ての人が許容してくれる事を目指すという膨大なチャレンジじゃなくても、その人個人の生活が成り立つのならば、僕はそれはそれでいいんじゃないか。それこそが大事な事なんじゃないかって思うね。

24.
親に否定されても、自分の好きな人と一緒にいたいとか、逆に、少し制限があったって、親と仲良くしていたいと思うのならそれはそれでもいいんじゃないかって。

25.
親も、人として間違っていなければ、きっと受け入れてくれるんじゃないかなぁって。そう思う。声も震えて、泣きそうな顔しながら、それでも伝えたいって思うじゃん?そんな子供を見ても否定する親なのかな。。。どうかな。

26.
当然、親は迷うと思うんだ。さっきも言ったけど、迷えるだけ迷ってもらったらいいと思う。俺だって何度も「治らないの?」って言われたけど、存分に親に調べて貰った。カウンセリングとか薬とか色々見て、治らないことを親が理解して、そこからいくつも考えて、今がある訳で。

27.
まぁ話が自分の事にそれてったけど、性的指向とか性的嗜好っていうのは、別に何か医学的な見地があるとかそういうしっかりとした指標じゃなくて、あくまでも同性愛を本質的なもんだと訴えるためのものなんですよっていうことと、

28.
同性愛が本質的なもんだとするなら、今、同性愛を自称している人の中で、後天的に同性愛だと気付いた人たち、女性を好きだった人たちなんかは、そういった政治的な枠組みには入れないよね。「本物と偽物」という二項対立が出来て、クィアのおばさんが怒って怒鳴り散らしてくるよ。

29.
だから、そんな事に神経質になって人に押し付ける人にはならないでねっていう話でした。
長くなってごめんなさいw
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